医学豆知識

2017年12月号

ADHD(注意欠如・多動性障害)

 面白そうなことがあると席を離れて歩き出す、忘れ物が多い、順番を待てない。これらはADHDによく見られる症状です。ADHDは「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状を特徴とする言動の障がいで、一般的には7歳以前に症状が現れます。知的な障がいはなくても行動に障がいが出るため、学習面で問題が生じたり、友達の中で孤立したり、いじめの対象になったりと、二次的な問題を引き起こすことがあります。
 治療として、主に「環境調整」を行います。忘れ物が多い場合、本人と一緒にリストを作るなど、苦手な面を補うための対策を立てるのです。そして、しかることはやめ、できることを褒めるようにします。
 子どもがADHDと診断されると悩む家族もいると思いますが、悪いことばかりではありません。ADHDの子どもは好奇心が旺盛で知的な水準が高く、好きなことには集中できます。また、優しく思いやりのある子も多いです。その子の良いところを見つけてあげるようにしてください。