2025年4月
更年期障害と手の症状
女性は閉経後、心や身体の不調に悩まされることが多いと思います。最近では男性にも更年期障害があるとされますが、圧倒的に女性が多いと思われます。症状はさまざまで、気分の落ち込みやうつ症状、イライラ感などの心の症状と顔の火照りや首・肩のこり、不眠などの身体的症状があります。更年期症状において最近注目されているのは、手の症状です。手指の第一関節の変形、腫れ、疼痛や全体のしびれ感、特に起床時に多いとされる指の伸展障害(ばね指)などは閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンと関係があるのではないかと思われます。以前は痛み止めやビタミン剤などの対処療法が主でしたが、最近は大豆に含まれるイソフラボンの成分が女性ホルモンのような働きをし、症状に有効であるということが分かってきています。現在はサプリメントとして販売されており、病院では処方できませんが、調剤薬局などでご相談ください。
2025年3月
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は死因の第6位に位置する病気です。介護施設などの入所者、約3カ月間以上の入院者、介護を必要とする人、透析などを受けている人は「誤嚥」の可能性が高いです。「誤嚥」の原因は、意識障害、全身の衰弱、長期の寝たきり、脳血管障害や認知症など嚥下(えんげ) (ものを飲み込む)機能の低下あるいは胃食道の機能不全であり、その人が起こす肺炎とされ概ね高齢者に多いと考えられます。一般的な肺炎と比べて起炎菌(病気を引き起こす菌)が異なることが多く、治療薬は投与量が多くなる傾向にあります。またこの病気は繰り返すことが多く予防が大事とされています。具体的にはロ腔内の清潔、食事の際の体の位置、胃薬などの適正使用、身体的なリハビリテーションなどが必要です。誤嚥性肺炎は前述しましたように繰り返すことが多く、予防や治療を十分に行っても繰リ返す場合は継続の方法を検討することも重要です。
2025年2月
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は目に花粉やダニなどの物質が付着して白目に炎症を起こす病気です。アレルギー反応を起こす原因物質にはいろいろありますが、この季節に多いのはスギ、ヒノキなどの花粉です。日本では4割以上の人が花粉症との報告もあり、いまや国民病ともいわれています特徴的な症状はかゆみですが、ほかにも充血、腫れ、目やになどがあります。治療には抗アレルギーの目薬が用いられますが、症状が強いときはステロイドの目薬を使います。まぶたに一日1回塗るクリームもあり、目薬が苦手な人には使いやすいかもしれません。スギ花粉症など毎年決まった時期に症状が出る人には、花粉が飛散する前から抗アレルギーの目薬による治療を始める方法もあります。花粉症に悩まされている人は、早めに眼科を受診して花粉シーズンに備えてください。