医学豆知識

2017年6月号

爪水虫

日本の水虫患者は2500万人にも上るといわれています。水虫は、カビの一種である白はく癬せん菌が手や足、爪などに感染することで起こります。菌は必ずしも体に付着しているのではなく、プールや共同浴場など大勢
の人が裸足になる所にも存在します。菌に感染するまでの時間は48時間といわれているので、その間に洗い
流せば感染することはありません。しかし、一度感染してしまうと治療を行わないと治らないため注意が
必要です。
 その水虫にも種類があり、最も治りにくいとされているものが爪白癬です。爪白癬は、爪の中に菌が入り
込むことで、爪が厚くなったり白く濁ったりする水虫です。ほかの水虫は塗り薬を3カ月ほど使用すれば完
治しますが、爪白癬に関しては内服薬を使用する必要があります。最近では効果が認められる内服薬も登場
し、その治癒率は70 〜80%にも上っていますので、症状がある場合は、悩まずすぐに専門医を受診するよ
うにしましょう。

2017年5月号

乳がん

がんは、日本人の死因第1位であり、約3.5人に1人ががんによって亡くなっています。中でも女性に多いのが乳がんで、その患者数は国内で約9万人にも上ります。
 がんは、早期発見・治療ができれば9割は治るといわれているため、がん検診を受けることが推奨さ
れています。しかし、国が推奨するマンモグラフィによる検診は、40歳以上の女性には有用ですが、そ
れ未満の世代には有用性が確認されていません。
 したがって、乳がんの早期発見には「自己触診」を行うことが大切になってきます。異常があったと
きにすぐ気付くことができるよう、入浴中や就寝時ましょう。触診時には指の腹を広く使い、なでるように行うことが大切です。また、乳房の中央から上の、脇の下に近い所は、乳がんの発見率が最も高い部位といわれていますので、注意深く触診しましょう。

2017年4月号

ぎっくり腰

ぎっくり腰(急性腰痛症)は、誰にでも起こり得る病気です。不意のひねり動作で起きることが多く、腰
部に激痛が走ります。
 診断は、問診と診察を中心に行われ、ほかに特定すべき疾患がないことが確認できれば、安静や投薬によ
り通常数日で症状は軽くなります。
 腰痛は、腰周囲の筋力が弱いために適切な姿勢が保持できなかったり、腰周囲の筋肉に過度な負担がかか
ることが原因とされています。重い物を持ち上げるときは体に引きつけて持ち上げたり、いすに座るときは
ひざの高さがお尻の高さよりやや高くなるようにするか、ひざを組んで座るようにしたり、立ち仕事をするときは、筋肉の疲労を軽減させるために足台を使ったりするなど、日ごろから注意するようにしましょう。もし
痛みが続けば、専門医に適切な診断とアドバイスを受けましょう。

2017年3月号

春の肌荒れにご注意を

春は昼夜の気温差が大きく、体に負担がかかりやすい季節です。この気温差やそれに伴う湿度の変化は肌
にもストレスを与え、肌荒れを引き起こす原因となります。また、暖かくなることで汗をかき、そこにほこ
りや花粉などが付着すると、肌の環境はさらに悪くなります。また、春は紫外線も強くなり始めます。冬の
間、日に当たることの少なかった肌は、紫外線への抵抗力が弱まっているため注意が必要です。
 肌のトラブルを防ぐためには、まず付着した汚れを落とし、清潔に保つことが大切です。入浴時には、刺
激の弱いせっけんやシャンプーを選び、使い過ぎないようにしましょう。洗い方も、素手や木綿製のタオル
で優しく洗うようにし、ゴシゴシ洗うことは避けましょう。入浴後はタオルで押さえるようにして水気を
ふき取り、保湿剤を塗ることも大切です。
 ひどい肌荒れや花粉によるアレルギー症状を起こした際は、早めに専門医を受診し、検査や治療を行う
ようにしましょう。

2017年2月号

インフルエンザワクチン

毎年冬になると、多くの人がインフルエンザワクチンを接種するにもかかわらず、インフルエンザの流行が話題になります。そこで疑問視されるのが「ワクチンの効果」の有無です。
 ワクチンは、世界各地でインフルエンザウイルスの定点観測を行い、その年のウイルスの流行株を予測し
て作られます。その技術は年々進歩しており、予測が外れてワクチンが効かなかったという事態はほとん
ど起きていません。ある調査では、65歳以上の健常な高齢者の約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止
する効果があったとしています。しかしその一方で「効果がない」とする調査結果があるのも事実です。
 厚生労働省では、ワクチンは高齢者や乳幼児、基礎疾患を持っている人などが、入院や死亡など重篤な状
態になるのを防ぐ有効な手段であると発表しています。ワクチンは、インフルエンザの発病を100%防ぐ
わけではありませんが、感染拡大を防ぐためにも接種するようにしましょう。

2017年1月号

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスに感染することで発症する胃腸炎の総称です。1年を通して発生しますが、冬はノロウイルスやロタウイルスといったウイルス性のものが流行します。感染すると、1〜2日の潜伏期間の後、腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が見られ、特に乳幼児や高齢者、疾患のある人は脱水症状を起こすなど、重症化しやすいため注意が必要です。感染経路には、ウイルスが手や食品などを介して口に入ったときに感染する経口感染と、感染者の便や吐物が乾燥して空中に舞い、ちりと一緒に吸い込むことで感染する飛沫感染があります。いずれも注意すれば予防できるので、対策※をして感染を防ぎましょう。
※ウイルスに感染しないための対策
◦手洗いを徹底する/◦マスクを着用する/◦食品はきちんと加熱する/◦調理器具などは使用後きれいに洗う/◦感染者とタオルなどの共用は避ける/◦感染者の便や吐物を処理するときは、拭き取った紙類・おむつも一緒にビニール袋などで密閉して捨てる