2026年4月
自分の骨密度を知っていますか?
多くの人が自分の身長、体重、血圧などはすぐに答えられると思いますが、骨密度は?と聞かれてすぐに答えられる人は少ないかと思います。骨密度は骨(こつ)粗(そ)鬆症(しょうしょう)に最も関連した値です。YAM値70%以下、すなわち骨密度が最も高い時期の値から30%減少すれば、骨粗鬆症と診断されます。検査はX線を用いた測定 (DEXA(デキサ)法)が主となっていますが、検査などでは超音波を使った測定法が簡易的に用いられることが多いです。しかし、測定方法に関わらず検査を受けることが重要で、特に閉経後の女性で今まで検査をされていない人は、一年に一度は受けることをお勧めします。骨粗鬆症は今や糖尿病や高血圧症と並ぶ生活習慣病ともいえる病気となっています。現在、世界一の長寿国となった日本ですが、健康寿命は平均で75歳程度といわれています。骨粗鬆症を予防、治療することは、健康寿命を延ばすために最も重要なポイントの一つです。
2026年3月
冬場に怖いヒートショック
ヒートショックとは、急激な温度差により血圧が大きく変動し、体に重大な影響を及ぼす現象のことです。特に冬場、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動、さらに熱い湯に入る場面で起こりやすくなります。寒さで血管が収縮し血圧が上昇した後、入浴で体が温まると血管が拡張して血圧が急低下するため、矢神や不整脈、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす危険性が上昇します。冬の風呂場で突然死が起こりやすいのもこのためです。高齢者や高血圧、糖尿病、心疾患のある人は危険性が増しますので特に注意が必要です。予防には、脱衣所や浴室を暖めて温度差を小さくする、湯温を40℃以下にする、長湯を避ける、入浴前後に水分補給を行うなどの対応が有効です。日常のちょっとした工夫でヒートショックは防ぐことができます。入浴前に家族へ声かけをするなど、冬場の入浴時は、特にお気をつけください。
2026年2月
熱性けいれん
子どものけいれんで最も多く、38度以上の急激な発熱に伴いけいれんを起こします。初発年齢は生後6カ月~6歳で、意識はなく、眼球を上転させ、手足をつっぱったり震わせるような左右対称性のけいれんが起こり、2~3分以内(長くても10分以内)で止まります。けいれんが起こった時は、衣服を緩め、嘔吐による窒息を防ぐため横向きに寝かせ、口の中に物を入れないでください。ロの中を傷つけたり、吐物を気道に押し込む原因になります。経過を医師に報告してください。生後6カ月未満の場合、けいれんが10分以上おさまらない、嘔吐を繰り返す、意識障害が続く、手足に麻痺が残る時は、すぐに救急病院などへ連れて行ってください。元気な場合は救急処置はいりませんが、初めての時は半日以内に小児科を受診してください。熱性けいれんの大部分は6歳位までで自然になくなりますが、ジアゼバムという薬による予防もありますのでご相談ください。
2026年1月
聴こえ(きこえ)8030(はちまるさんまる)運動」について
2024年の夏に、イギリスの医学誌「ランセット」で、認知症の発症リスク要因の第1位が難聴であるという研究結果が報告されました。これを受けて、現在耳鼻咽喉科領域では「聴こえ8030運動」が展開されています。「聴こえ8030運動」とは、80歳での平均聴力を30dBに保持しようというもので、平均聴力が30dB以内であれば、日常会話にほとんど支障がなく、周囲とのコミュニケーションが円滑にできるため、認知症の発症予防につながります。難聴を自覚したり、周囲から難聴を指摘されるようなら、耳鼻咽喉科で聴カ検査を受けて補聴器などの必要性について相談してください。また、一般的に65歳を過ぎると、加齢による難聴が始まりますので、自覚がなくても年に一度は聴カ検査を受けて、聴力のチェックをしておきましょう。それが将来の認知症の発症予防につながることになります。